スポーツ拳法とは

スポーツ拳法は、護身術として体系化された技を、競技化し、誰もが親しみやすく、楽しみながら練習が出来るように工夫した武道です。大人から子どもまで男女問わずケガなく楽しめる武道がスポーツ拳法です。

突きや蹴りといった一般的な動作の他に、大きな力を持たない方でも相手を制すことが出来るような関節技や、身の回りにある身近な道具(杖)を使って相手を制することができる杖法などがあります。また、武道である以上「礼儀」や「しつけ」にも力を注ぎます。
身を守る技を身につけながら、楽しく練習していきましょう。

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スポーツ拳法の理念

スポーツ拳法の本質

スポーツ拳法は、伝統ある日本武術を出発点とした総合護身術である。スポーツ拳法は、問答無用で、ルールなしの生死をかけた戦いで駆使する法術であり、真の武道である。ここでいう戦いは命のやりとりであり、一切の虚飾を剥ぎ落として、勝つため、生き残るためにこれだけは絶対欠かせないというものを追求しているところに日本武術(古武道)と同様、独特の凛と研ぎ澄まされた美しさと、鳥肌が立つような恐ろしさがある。

しかし、戦いは命のやりとりであるという以上、人々に広く普及振興することができないことになる。そこで、独自に創意工夫をこらし、武道として真の姿を失わずに、しかも愉快に楽しく修行することを第一条件として、必要限度のルールをつくり、スポーツ拳法の拳士が体得した法術の優劣を共に競う競技形式を考案した。このことにより少年拳士や中学生以上一般拳士も修行の経過中、今の自分の体得している法術のレベルが理解でき、さらなる刺激を受け、日々の自己の研鑽に励むことができる。
 ここにルールに立脚した競技として優れている分野を最大限に活用して、魅力あるスポーツ武道、即ちスポーツ拳法を完成したのである。

スポーツ拳法は伝統の上に立脚した革新志向

伝統ある組織も時には「大いなる飛躍をするために、組織そのものも大きく改革する必要」がある。しかし、いくら組織を改革してもその本質は、道理に、規範に、正義に立脚したものでなければならない。でなければ社会から捨て去られ、忘れ去られる。
 スポーツ拳法は、「伝統の上に立脚した革新志向」である。即ち、「ナンバーワンでありながらオンリーワン」でもある。
 武道の中で最高の護身術であるというナンバーワンと、他の武道とは根本的にちがう唯一であるというオンリーワン。競技の中で常にトップをめざすというナンバーワンと、練習の中で一人一人の個性を大切にし伸ばすというオンリーワンをあわせもつ。これは一見するとまるで矛盾しているように感じるがそうではない。これこそ私達だけしか成し得ない究極の理念である。この理念こそスポーツ拳法の命である。

現在、一般社団法人日本スポーツ拳法連盟は、滋賀県内の活動にとどまらず、10都道府県にまで拡大している。この現状から見ても、私達の活動は社会から大きな支持を得ているということが容易に理解できる筈である。
 私達の進むべき大いなる道がはっきりと見えた。後は自分の足元にある道を踏み外すことなく、よそ見をせずに真っ直ぐ、共に手を携えて頑張ればいいだけである。ならば必ず道は開かれるはずである。
 私達は、「何かをしてもらうのではなく、自分達の出来ることは何かを自問自答し、しっかりと行動を通して足元を固めていかなければならない大切な時期に直面している」のである。

スポーツ拳法の技法

柔法

相手の攻撃をとめるのではなく、力の方向を変える。相手の体勢を崩すきっかけを作る事によって、相手は自らの力で体勢を崩す。相手は体勢を崩されまいと足を踏ん張る。勢いよく体勢を崩されたため踏ん張りを越えて、一気に崩れる。小柄な方でも練習によって大きな相手を制することが可能な技である。護身術として極めて効果的であり、重要な技法である。

剛法

スポーツ拳法の剛法の特徴は構え(かまえ)と反撃である。攻撃を主とする格闘技ではなく、反撃を主とする護身術の観点から、「防御と反撃」の2つに対応すべく、様々な構えが存在する。どの構えが良いかではなく、相手の構えや攻撃によってどれを用いれば理にかなうのかを考えるべきである。

杖法

杖術の指導も行っている。柔法や剛法のあらゆる拳技と組み合わせて用いることで、より高度で柔軟性の高い護身術へと発展させる事が可能である。

スポーツ拳法の構え

真の構えとは、体構えと気構え(心構え)の一致から生まれるものである。正確な構えは相手に圧力をかけ、攻撃をさせない状況をつくり、ひいては相手に攻撃を諦めさせるような状況に陥らせる事ができる。護身術であるスポーツ拳法は相手に容易に攻め込まれない絶対不敗の構えでなくてはならない。ここでは、スポーツ拳法に存在する構えのうち、特徴的ないくつかの構えを紹介する。

飛龍構
ひりゅうがまえ

スポーツ拳法の剛法の一つ、「飛龍拳」に代表される段攻防を行うための構えである。相手の攻撃を受けると同時に反撃を行うことで、より効果の高い防御を行うことが目的である。
逆飛龍構
ぎゃくひりゅうがまえ
飛龍乱構
ひりゅうみだれがまえ
立無想構
たてむそうがまえ
横無想構
よこむそうがまえ
立智拳構
たてちけんがまえ
横智拳構
よこちけんがまえ

スポーツ拳法の単独技法

 スポーツ拳法に存在する特徴的な型を紹介する。

1.単独法形「伏龍」 制限時間30~35秒

2.単独法形「鳳雛」 制限時間25~30秒

3.単独法形「飛龍」 制限時間30~35秒