ご挨拶

スポーツ拳法の理念は徳育である

 本当に、人生の喜びを味わいたい人は、まず「自分の無力を感じ、自分の努力の足りなさを反省して、素直なこころで精進努力」をしてゆくより仕方がないことを理解すべきです。
 スポーツ拳法では、修行を通して「人そのものを心身共に高めていくことが目的である」と説いています。
 能力がある人間は数少ない。大部分の者は努力にて大成しているのです。昔から、「七転八起」と言う言葉がありますが、何事においても度重なる失敗に屈せず最後まで諦めないこころを意味しています。
 本気でやるのならば、何としてでもそこへ到達しょうとする気力で努力を積み重ねることが大切です。しない先に諦めて自分で自分を見捨てるということがないようにすることが肝要です。

 その為、「自分にはこういうことに自信があります」といえるものを、しっかりと身につけることが大切です。しかもそれは技術だけではいけません。日々の努力を通して自信を身につけ、この自信を通して、自分の周囲に信頼できる人間、特に裏切らない人間、言い換えれば何かあったら頼りになる人間関係を自分の周囲に築き上げることが大切なのです。ころころと条件によって乗り換えようとする者は、便利ではあるが信頼できないものです。
 少々何か足りなくても、信頼できる人間に育ってもらいたい。これがスポーツ拳法のいう徳育なのです。それを教えることはできるけれども、実行するのは諸君達の問題です。

 人間にとって一番大切な、またいま日本で一番欠けているものが徳目であるといわれています。これは行いの問題です。
 スポーツ拳法でいう「より良い自分づくり」「より良い仲間づくり」とは、徳育そのものです。私達が修行しているスポーツ拳法の教えは、現代人が失いかけているこころそのものです。
 スポーツ拳法の説く理念は、日本のこころです。日本のこころの原点は、お互いに助けあう相互扶助の精神にあると考えます。
 諸君達が、いつでも、どこでも、だれでも、いつまでも、愉快に、楽しく、スマートにスポーツ拳法の練習を通して、「より良い仲間・友人づくり」の輪を広げ、その絆を深め、相互扶助の精神を各地域で実践行動して頂き、スポーツ拳法が更なる飛躍と発展することを祈念し、また各拳士諸君のより一層の協力を期待し挨拶と致します。

一般社団法人日本スポーツ拳法連盟 理事長

一般社団法人
日本スポーツ拳法連盟
代表理事

古川 亘

一般社団法人国際拳法連盟 大師範九段

居合道、杖道、少林寺拳法など多数の有段資格を有する

略歴
中京大学卒業 優等賞 受賞
滋賀県立高島高校・堅田高校・大津商業高校 教諭

経歴
滋賀県高等学校体育連盟 専門委員長
大津市スポーツ推進委員協議会 副会長
大津市スポーツ少年団 副本部長
大津市スポーツ協会 会長
大津市スポーツ推進審議会 会長
公益財団法人滋賀県スポーツ協会 副会長

現職
一般社団法人日本スポーツ拳法連盟 代表理事
滋賀県スポーツ拳法連盟 理事長
大津市スポーツ拳法連盟 会長
大津市スポーツ協会 顧問
大津市学区体育団体連絡協議会 顧問
滋賀県立大津商業高等学校同窓会 前会長

受賞歴
文部科学大臣表彰 受賞
大津市市政功労者賞 受賞
大津市教育功労者功労賞 受賞
日本スポーツ少年団育成指導者表彰 受賞
日本スポーツ少年団 感謝状
全国スポーツ指導委員功労者表彰
滋賀県スポーツ協会優秀指導者賞 受賞
滋賀県スポーツ協会体育奨励賞 受賞
滋賀県高等学校体育連盟優秀指導者賞受賞 3回
滋賀県高等学校体育連盟功労者表彰 受賞
大津市体育振興奨励賞
          
その他多くの受賞有り

沿革

はじめに

 国や県・市が、2000年より10ケ年計画で開始した「総合型地域スポーツクラブ」を推奨する中、大津市スポーツ協会が、2005年8月に「大津市型総合型地域スポーツクラブ」を発足されたのを機に、私は3年間、準備委員長として設立に携わってきた経緯から、「他の競技団体よりもいち早く総合型地域スポーツクラブを立ち上げるべきだ」と考えた。2005年9月1日に地域スポーツを主軸に組織の改編を行い、総合型地域スポーツクラブとしてスポーツ拳法を立ち上げ、2005年12月15日に「特定非営利活動法人地域スポーツ拳法護身術道志会(略称:NPO法人スポーツ拳法)を法務局に登録するなど、8ヶ月間の準備期間を経て、2006年4月1日に「日本スポーツ拳法連盟」を発足させ活動を展開したのである。
スポーツ拳法を創設して15年間、県内支部数は20支部と大きく飛躍した。更に近畿にも次々に支部が開設されている。そして北海道から大分県まで10都道府県に支部連盟が開設され活動を展開している中、2008年4月に「滋賀県高等学校体育連盟」に「スポーツ拳法専門部」という名称で加盟、更に同年5月に「滋賀県スポーツ協会」に「滋賀県スポーツ拳法連盟」という名称にて加盟を果たした。そして2017年4月6日に「一般社団法人日本スポーツ拳法連盟(以後、スポーツ拳法連盟と呼称)」として法務局に登録し、今日に至っている。

取り組み

 スポーツ拳法連盟の役員会議を幾度となく開催し、総合型地域スポーツクラブを最大限に活用できる組織作りを検討した。その結果、「総合型地域スポーツクラブ」のキャッチフレーズである「いつでも、どこでも、だれでも、いつまでも」と、スポーツ拳法の「愉快に、楽しく、スマートに」を一体とした組織化を全面的に打ち出し、競技として個人の能力に応じた指導と個人の個性と年齢に応じた指導、即ちナンバーワンを目指しながらオンリーワンをのばす指導を「スポーツ拳法の特徴」とすべきであると考え、今日に至っている。
 ナンバーワンの主たる行事は、毎年開催している全日本スポーツ拳法選手権大会・各都道府県大会・市町大会等がある。そしてオンリーワンの主たる行事は、やればできるという信念から毎年開催している演武会・昇級昇段試験(年4回)・特別昇段称号試験(年1回)・市町スポーツ協会主催の各種行事の補助員等のボランティア活動がある。厳しい中にも楽しく、和やかで、会員全員がまるでファミリーの様な素晴らしい連盟となっている

現 状

 「組織の一体化」をテーマに、組織の総力を上げて取り組んでいる。
幸い、少年期は「市スポーツ少年団」に、高校生は「高等学校体育連盟スポーツ拳法専門部」に、中学生以上一般は「地域の市スポーツ拳法連盟」に所属している。この3組織を一つにまとめ上げ継続して指導できる体制こそが「総合型地域スポーツクラブ」であり、その体制が整うことにより、スポーツ拳法の生命線であるナンバーワンとオンリーワンの両立が可能なのである。この可能性を実現すべく、2つの駅前の自前本部道場と2021年1月に新築した本部事務所兼会議室において、指導者に対し実技研修会と理念講習会を実施する等、毎月各種事業を展開している。
 さらに年6回、本部役員会議を開催し、拳士の意見や要望を取り入れ、各支部道場の問題や課題点など支部運営についての話し合いを行い、充実した会議を開催している。

今後の方針

 上記以外にスポーツ拳法連盟は、保護者と拳士が参加する年2回の親子練習会の開催、大津市民体育大会スポーツ拳法競技で来賓・保護者を交えた家族的な楽しい新種目競技を実施、3年おきに実施している3泊4日の東京ディズニーランド・ディズニーシーへの旅行など家族間の心の交流と絆の繋がりを広め深めている。
 2014年にイギリスで開催されたスポーツ拳法国際大会に15名の出場を皮切りに、2015年は北海道スポーツ拳法連盟を対象に技術講習会を実施、毎年近畿大会に出場、大分県スポーツ拳法連盟と協力しながら毎年、大分県で護身術教室、全国高等学校選手権大会・全国中学校選手権大会・全国スポーツ拳法選抜大会等を開催している。
 今後とも、スポーツ拳法が変わらず地域の期待に応えて、発展し続けるために、拳士諸氏が伝統を重んじながら、伝統に縛られることなく、「いつでも、どこでも、だれでも、いつまでも、愉快に、楽しく、スマート」に各地域で上記の各種行事・大会を開催しながら、安心立命の地域づくりに貢献して頂き、スポーツ拳法の更なる飛躍を期待する。

1. スポーツ拳法「演武会」創設15周年の歩み
2. 全日本スポーツ拳法選手権大会創設15周年の歩み 計2ページを掲載する。